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About:妖怪イヌジマ 其の四 <妖怪イヌジマ> 作品コンセプト

 
inujima-shadow.jpg 作品コンセプト

 − 歴史ある犬島の魅力 −
 犬島は、岡山市から南東に位置する瀬戸内海の地域で、犬島本島と周囲の島を含め犬島諸島とも呼ばれています。約一万年 前の貝塚や石器の発掘が行われている他、古い書物には文明元年 (1469 年 ) からの記述が残されており、周囲 4km という小さ な島ながら深い歴史のある島です。

 島の名前の由来ともなっている犬石宮 ( 犬石様 ) と呼ばれる巨石信仰をはじめ、良質の花崗 岩の産地として古くから知られており、犬島の石は遠く仙台東照宮や鎌倉の鶴岡八幡宮の鳥居、また岡山城・大阪城の石垣な ど全国各地に残されています。
1909 年からの 10 年間は銅の精錬所が稼働し、島の最盛期であった当時は 6000 人もの人々が 暮らしていたといわれています。以後、島の人口は減り続け、1991 年には小学校が廃校、現在は廃墟が増え 50 人ほどの高齢 者のみが暮らす島となっています。現在、精錬所跡地は島のシンボルとなっており、2008 年よりベネッセによる美術館として 生まれ変わり開館し、新たな人々の行き来が生まれています。

 時代ごとに独特の表情を持つ土地であり、島という周囲を海に隔てられた環境にあるため、現在もそれぞれの時代の面影が 様々な形で残されており、時を経たもの特有の神秘的な魅力を持っています。この魅力を新たな視点から再発信したいという 思いが作品制作の原点となっています。

 − 黒い砂の瞳を持つ「妖怪イヌジマ」

 銅カラミ ( 銅ガラミ・銅スラグ ) は、精錬所が稼働していた当時に銅を精製する過程で出た副産物で、鉄を主成分とするガラス質の混合物からなる黒い粒状の砂であり、元々は精錬カス ( 産業廃棄物 ) として排出されたものです。化学的に安定し密度 が高いという特性を利用し研磨材・建材・セメント原料などとしての再利用が行われていますが、粒状の黒い輝きにはそれ自 体に独特の魅力があり、発生当時から変わらない形を持つものとして銅カラミを粒状のまま作品に使用しました。

 日本人は昔から物を大切にすることを美徳とし、人が大切に扱う物には魂が宿ると考えました。その考え方は、八百万の神 や付喪神など、多くの民話や説話に例を見ることが出来ます。誕生から長い時間を経た物に畏怖や畏敬の念を抱くといった習慣・ 価値観は、日本人に普遍的に存在するものであり、根底に流れる思想は神道や古神道と同じものであるとされてきました。

 作品として銅カラミの再利用を試みる際、この「時を経た物 大切に扱う物には魂が宿る・瞳を入れると命が宿る。」という 日本人として自然に持ち合わせていた生死観 ( 生命観 ) から発想し、犬島の銅カラミから産まれたものとして " 妖怪イヌジマ " と名付けました。
 

 妖怪イヌジマプロジェクト 

 犬島で「妖怪イヌジマ」を展示・鑑賞するだけでなく、島からの使い (messenger) として「妖怪イヌジマ」を各地へ送り出し、 作品に出会った人々と島をより深く結びつける媒体 (media) として活かす仕組みをつくり出そうとするものが、「妖怪イヌジマ プロジェクト」です。また、その仕組みを一過性の短期的なものに終わらせる事なく、長期に維持・循環が可能なものにして いく事を目指します。

  島とは何かを考えるとき、単に陸と離れた地形・海洋風景の一要素というだけでなく、そこに住む人と外との接点が動きを 生み、そこに関わる人々の中に強く認識されて島が存在感を示すという一面があります。犬島産の花崗岩や銅が全国に送り出 され、良質のものとして石碑 (monolith) や製品として用いられたことで犬島の名が各地で歴史に残され、その結果、犬島自体 の歴史がつづられてきたのと同じように、島に焦点を当てた作品を展開するにあたり、島の内と外から双方向の動きを作り出 す必然に着目しました。

  プロジェクト参加希望者は、作者の個展等で「妖怪イヌジマ 」を飼い、里親になる事 ( または他者の妖怪イヌジマの世話など をする事 ) から作品世界に足を踏み入れます。そして、「 妖怪イヌジマ」 と共に各イベントに参加し、現実世界の犬島の姿や歴 史を見て知ること・上陸して島を体験することなどと平行して、作品世界に触れ、時には妖怪イヌジマの視点に立つなどの疑 似体験をします。この時、「 妖怪イヌジマ」は二つの世界を仲介する役割を担い、立体作品としてだけでなく独自の世界観を提 供する媒体となることで、参加者 ( 里親 ) を〈犬島を基点とする交流システム〉や 〈犬島に経済効果を生み出す活動〉などに導きます。参加者がこれらの体験を通じて、それぞれに犬島の魅力を新たな視点から再発見し、個人の中の犬島像をより具体的に形づく ることで、犬島を大切に思う人々が増える事、そして、人々の思いの連鎖による新たな刺激と活力が犬島をとりまく環境に発 生する事を期待するものです。

2005 年~2007 年の犬島内での展示 (※1) を経て、2007 年からは別紙のような妖怪イヌジマプロジェクトとしての活動を行い、 参加者 ( 里親 ) の方々と共に展開してきました。

(※1)2005 年「第 2 回犬島時間 」にて旧犬島郵便局舎内に展示    2006 年「第 3 回犬島時間」にて山神社の社内に展示




inujima-shadow.jpg 妖怪イヌジマプロジェクトによる 活動と展望


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2007 年から、下記のような「妖怪イヌジマプロジェクト」としての 活動を行い、
参加者 ( 里親 ) の方々と共に展開してきました。


●妖怪イヌジマ棲み憑きました。(2011 年~)  

妖怪イヌジマの公式 WEB サイト (http:// 妖怪イヌジマ .com) では、里親となった参加者が飼っている妖怪イヌジマを登録 できるデータベース「妖怪イヌジマ棲み憑きました。」を設置しています。 各地で里親と生活を共に始めた妖怪イヌジマの暮らしぶりを見る事が出来るポータルサイトとしての機能を持ち、ここから 里親同士の交流の発生を促そうするものです。


●イヌジマトイヌジマヘイコウ
(2009 年~)  

 妖怪イヌジマの里親 (参加者) が集まり、妖怪イヌジマと共に犬島へ上陸し里帰りするイベントです。  妖怪イヌジマと共に暮らしているという共通項を入口とした里親同士の交流を目的するだけでなく、直接島の自然を体験 すると同時に妖怪イヌジマの世界観を通じて実際の島の歴史や文化に触れることで、現在の犬島の姿を知り、犬島をより身 近に感じることができる積極的な機会となるよう働きかけます。また、一時的に来島する里親にとっては非日常の活動であ るが同時に島に住む人々にとっては日常の一部であることから、島の人々の暮らしを無理に変化させる事無く、経済的な効 果の産まれる仕組みとなるように配慮していきます。毎年一度、作家主催で行う「イヌジマトイヌジマヘイコウ」開催時の 様子をモデルケースとしてネット上に記録公開し、開催時以外にも少人数または個人での来島で同じ体験が出来る仕組みを、 島の人々と共に作り出していくことを目指します。


●妖怪イヌジマオーナーの集い
(2009 年~) 

 各地に住んでいる里親 ( 参加者 ) 達の集いです。居住地の近い里親達が各自の妖怪イヌジマを連れて対面で集まることで、 単独で各地に分布している里親達の交流をインターネット上からより実感できるリアルな世界へ広げていこうとするもので、 日常的に犬島へ想いを寄せる機会を増やそうとするものです。里親同士の交流だけでなく、全国に点在する犬島の石の分布 図など、各地と島のつながりを示す資料を配布するなどし、それぞれの居住地と犬島の接点を探し出したり、犬島を通じて様々 な地を巡るなど、里親各自が集いを通じて犬島についての興味を掘り下げ、多様な楽しみ方を見つけ出す契機となるよう働 きかけて行きます。


 この他、ソーシャルネットワーキングサービス mixi 内の " 妖怪イヌジマ " コミュニティや Googlemap での「妖怪イヌジ マ分布地調査」など、インターネット上を利用した動きを発信し、複数の里親が不定期に利用することで、妖怪イヌジマを 通じた連鎖的な反応が維持される環境を整え、より多くの犬島への想いがうまれ活かされていくサイクルとなるよう展開し ています。



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