アートパーティーるくる 追跡取材その3 「道後芸術温泉」 Art.jpn.ch賞 戸田泰輔インタビュー

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アートパーティーるくる 追跡取材その3
「道後芸術温泉」 Art.jpn.ch賞 戸田泰輔インタビュー

道後温泉本館前の道後坊っちゃん広場にて3月20日に開催された
アートフェス×アートコンペ「道後芸術温泉」。
温泉(ブース)の開始温度は46℃(道後温泉の平均温)、
 来場者は"焼石"を各ブースの温度計に投票し湯温を上昇させた。
また、地元道後の各協力団体や企画関係者・協力者からも様々な賞が与えられ、
アーティスト達が良い刺激を
受ける機会となった。

今号ではArt.jpn.ch賞を受賞した「シナプスの湯」の 戸田泰輔さんにお話を伺いました。


ー 戸田さんは愛媛を拠点に活動されているのでしょうか?今回の道後芸術温泉参加のきっかけはどんな所からでしたか?

戸田泰輔(以下、戸田):
今は奈良に住みながら関西を中心に活動しています。
大学時代の同期に紹介してもらいました。

ー 「シナプスの湯」というタイトルで物語を感じるような配置がされた展示ですが、コレにはどんな意味があるのでしょうか。

戸田:作品全体のコンセプトは脳内に浮かぶ断片的な経験と記憶を表しています。
 散らばっている個々のものは外界、内界で知覚したものを受信する「器」と、伝達・発信する「旗」をキーワードにそれぞれのモチーフを選んでいます。
無造作に配置することで脳内に浮かぶ断片的なイメージを表現しました。
タイトルは出来た作品を見てからシナプスの機能そのものであると思い「シナプスの湯」としました。

ー なるほど、奈良在住とお聞きして作品を拝見すると、奈良をイメージする要素がたくさんありますね。
戸田さんの日常の中で脳内で起きている反応を表した作品ということですね?。

戸田:よくそう言われるのですが、特に奈良を意識したわけではないんです。
モチーフは清浄な空間や場所性を象徴するものを選択しています。建造物や門は場所を区切って新たな空間を作るものですよね。
区切られた空間というのは人や物を受容するものです。それは器の機能ととてもよく似ています。
建造物、容器、門、像などの自身が感じる清浄で受容的だと思うものを「器」と題してモチーフに選択しています。
清浄な空間を知覚する場所はあらゆる所に存在しますが、今回は寺院にあるものを割と中心に選んでいるところがあります。
そういう意味では奈良という場所から無意識に影響を受けているかもしれません。

脳内で起きている反応もそうなんですが、内界だけでなく外界で経験する知覚体験も含まれています。
内界に浮かび上がる断片的な発想と、外界で身体的に知覚した経験とを混在させているというか、言い表すのが難しいのですが、例えば森や山などの清浄な場所に足を踏み入れたときに感じる感覚は身体的経験でありながら感覚的でもあると思います。体でも感じるし、心でも感じる。どちらか一方だけの感覚だけではないですよね。
その知覚体験はなにも特別なことではなく日常レベルでも事象として表れることも多々あると思うんです。


― では、戸田さん個人のというよりも、そこから始まって"ヒト"全般の内と外で起きる事象を表したもので、
清浄さを探っていくと日本的なものが形にあらわれてきたということですね。

戸田:自分の住む家や食事、生活を形成する当たり前の物事に感謝できるような豊かな気持ち、感覚を大事にしたい。
日常に存在するあらゆる受容的もの[器]のおかげであたりまえのように生活している。
その普遍的な物事である[器]を改めて啓示することで、自身とそしてそれを見る人にその普遍性を提示出来ればと思いました。

ー 普段から今回のような展開で制作されているのでしょうか? 制作する際に重点を置いているのはどんな点ですか?

戸田:今回のような展示の仕方は初めてでした。普段から特に素材や制作方法を決めていないので、作品の形態はいつも変わります。

ー 確かに色々な素材のものがありますね、配置されているものは全て制作されたのですか?
それとも、記憶や経験を表すものとして既成品も含まれているのでしょうか。

戸田: すべて自分で作ったものです。今回の作品では自身が掲げたキーワード以外の情報がなるべく主張してこないようにするために心がけていました。
始めは既成品も使おうかと思ったりしましたが、情報量と印象が強すぎるためやめました。
全体的にバラバラのようでも、一貫性を残したかったので。

制作する際にというよりは日常的に重点を置いていることなのですが、日々生活を送る中で起こるすべての物事に対し、純粋にそれを受け入れることを心がけています。
あらゆる事象に対し清浄な心持ちであれば、事象の本質がより明晰に見えて来るような気がしてきます。
そうすることで生きていることを実感し、作品のアイデアが浮かぶきっかけなったりしています。

ー純粋に受け入れて事象の本質を見いだすというのは、雑多な情報を削ぎ落としていくイメージですか?。

戸田: 削ぎ落すというよりかは探っていくような感じだと思います。
雑多な情報も含めてその物を表すものであると思うので、雑多な情報もすべて受け入れつつその経緯を探っていけるといいですね。

ー 作品の素材や形態は毎回変わっても、戸田さんにとって制作する事自体の持っている意味合いが一貫しているということでしょうか。

戸田: そうですね。そうありたいと思います。
実は今回の作品はこの作品のためにすべて作ったわけではなく、以前から制作していた作品を組み合わせています。
全体的にこのような展示を見据えて作ったわけではありませんでした。
だからここに展示しているもの以外にも多めに作品を持って行っていて、現場で展示するものを決めました。
最初は異なる作品同士を組み合わせるのに違和感があるかもしれないと思いましたが、やってみると不思議と統一性がありました。
たぶんここ最近は素材、時期、形態が違えど制作するときの心持ちを変えずに制作していたからではないかと思っています。
制作に対する態度は常にしっかり持っていたいと思いますね。

ー今後の活動に向け、展望としてどんな事を考えていますか?

戸田:数年前から木という素材の無情性に関心があり、作品で木を扱っていきたいと思っていました。
自己流で何とかなるかと思っていたのですが、やはり基礎の加工方法をしっかり学びたいと思い、今年から木工の訓練校に通って勉強をしています。

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更新日時:2012年5月28日 21:10

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