
日本財団の支援による、アール・ブリュット美術館全国10カ所設置プロジェクトがボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県)を中心に始動。 NPOワークスみらい高知がプロジェクト入りし、ART NPO TACOに恊働を打診。 本紙では美術館が完成するまでを連載レポートします。
これまでの経過 : 高知の拠点場所が藁工倉庫(わらこうそうこ)群内に内定、名称を「藁工ミュージアム」と決定し、別棟に開設準備室が設立され、プレ展覧会やレクチャーなどの活動が行われてきました。

【藁工ミュージアムのオープニング展】
藁工ミュージアムオープニング展覧会
「パリに渡ったニッポンのアール・ブリュット」
[会期]2011年12月23日(金)~2012年2月19日(日)
(年末年始は12月30・31日 1月1・2日休み)
[料金]一般¥600 小学生~高校生¥300※団体割引あり
藁工ミュージアムのオープニングを飾るのは、世界中に「ART BRUT JAPONAIS(アール・ブリュット・ジャポネ)」の一大旋風を巻き起こした作品群をご紹介する、「パリに渡ったニッポンのアール・ブリュット」です。
同展は、パリ市立アル・サン・ピエール美術館にて2010年3月~2011年1月まで開催されました。日本のアール・ブリュット作家63名による、約800点を展示したこの展覧会は、人々に感動と衝撃を与え、好評を博しました。
この度、小さな蔵の美術館に、過去に国内で開催されたパリ凱旋展では出展されていない作品から精選した絵画・オブジェなど、精選した珠玉の作品が集います。人間の魂の底から発せられる表現を、ぜひご鑑賞ください。
アール・ブリュットとは、専門の美術教育や、文化潮流の影響を受けていない人々が生み出す表現を指します。

関連イベント
映画 「人生、ここにあり!」上映会
1月26日(木)
(1)10:00〜 (2)13:00〜 (3)15:30〜 (4)19:30〜
助成:(財)高知新聞厚生文化事業団

高知・江ノ口川のほとりに建つ、土佐漆喰の白壁と水切瓦のコントラストが美しい「藁工倉庫」。これらの倉庫群は周囲一帯が穏やかな田園地帯であった戦後まもなくに建てられ、(有)イケダによる藁製品の備蓄販売のために用いられてきました。
この歴史ある倉庫群を「高知県民立アートセンター」アートゾーン藁工倉庫として再生させるべく、障がい者福祉や芸術文化に携わってきたメンバーが勝手連的に集ったのが2010年の夏。以来1年半の月日をかけて、2011年12月に開館の運びとなりました。
高知の町は、戦後から綿々と続く様々な開発で古い建物や景観の多くが失われてしまいました。その点で、のべ13棟もの倉庫が建ち並ぶ藁工倉庫はまさに「最後の砦」とでもいうべき歴史的建築景観のひとつといえると私たちは考えています。
この藁工倉庫「再生」への道のりは、2004年に当時北高見町にあった現代美術ギャラリーgraffitiが企画・開催し、後に書籍化までされた「高知遺産」展にまで遡ります。これは高知県内の消えゆく建物や大切にしたい景観を紹介しようとする展覧会でしたが、翌年にはgraffiti自体が建物の取り壊しの憂き目に遭うことに。その後、新たな物件を求める中で偶然「高知遺産」で紹介していた藁工倉庫へと辿り着き、2006年冬からこの地で営業を再開。以後ART NPO TACOが「蛸蔵」を設置し、美容院「ナンバー」がオープンしました。
「アートゾーン藁工倉庫」はこの取り組みをさらに拡大しようとするものです。高知の歴史を刻む場所で、高知のこれからを刻む文化を育む「再生と共生」のステージとすること。それが私たちが目指すただひとつのことなのです。
新たに開設されるのは、海外でアウトサイダーアートやアール・ブリュットとして注目される、障がいのある人たちや、美術教育、文化潮流の影響を受けていない人たちの作品展示が中心となる美術館、藁工ミュージアム、高知の食材を活かしたメニューが並ぶレストランの土佐バルの2つの施設。そして、音楽や演劇、映画、パフォーマンスなどの公演や作品展示を行う蛸蔵は藁工倉庫エリア内で移転再オープンする形となります。
なお、清掃や管理業務など障がい者雇用の場としてもこれを機能させていくほか、四国内に点在する倉庫を拠点とする文化施設等とも連携し、高知のみならず四国を代表するアートスポットとして運営していくことができればと思っています。ぜひ一度、ご来館ください。
NPOワークスみらい高知
竹村利道
● 藁工ミュージアム・土佐バル
NPOワークスみらい高知が経営し、企画は県内外の芸術文化関係プログラムに携わる関係者で組織する「藁工ミュージアム運営委員会」が担っています。
NPOワークスみらい高知は、障がい者を雇用しようとする、または雇用している企業に対して、支援事業を行うほか、社会環境作りのための政策提言や必要に応じた協働事業、更には就労を希望する障がい者および支援する関係者の人材育成にも取り組むことにより、企業の社会貢献と障がい者の社会的自立を一層進展させ、もって公益の増進に寄与することを目的としたNPO法人です。
● 蛸蔵
《高知遺産》 や 《きんこん土佐日記》 《草やのごはん》 の版元としてもお馴染みのART NPO TACO、 高知市を拠点に活動する劇団のネットワーク組織「高知演劇ネットワーク演会」、 自主上映映画団体のネットワーク組織「高知市自主上映映画団体ネットワーク・えいね~」、カフェ経営の傍ら様々な音楽イベントのプロデュースを手がける「terzotempo」が新たに設立した「特定非営利活動法人 蛸蔵(認証申請中)」が企画運営を担っていきます。
詳細につきましてはHPをご覧下さい。
http://warakoh.com/