アウトサイダー・アートの美術館  全国10カ所設立計画に向けて! 高知編 追跡取材その4

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アウトサイダー・アートの美術館  
全国10カ所設立計画に向けて!  
高知編 追跡取材その4


○藁工ミュージアム  プレエキシビジョン
松田 朗 絵画展 

○関連イベント  レクチャー 服部 正 氏
『「アート」と「福祉」の間で』

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前号までのあらすじ

高知では、スピリットアート展(高知県障害者美術展)等で知られているアウトサイダー・アート(=アール・ブリュット)。
現在、全国10カ所にアウトサイダー・アートを保存する施設を設立しようと、滋賀県のボーダレスアートミュージアムNO-MAが全国各地に声をかけ、高知でも活動が行われています。
本紙では、この活動を追跡し、美術館が完成するまでを連載レポートします。
前号掲載時、美術館の設立場所が、高知市の北本町4丁目と南金田2丁目に東西に分かれて位置する藁工倉庫(わらこうそうこ)群内に内定。
昨年末、「藁工ミュージアム」に名称が決定し、藁工西倉庫内のグラフィティ内の一角に藁工ミュージアムの開設準備室が設立された。

今号では、藁工ミュージアム設置準備委員会の企画で行われた、藁工ミュージアム プレエキシビジョン 松田 朗 絵画展の様子と、その関連イベントとして行われた兵庫県立美術館学芸員の服部 正氏によるレクチャー『「アート」と「福祉」の間で』の様子をご紹介します。 



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● 藁工ミュージアム プレエキシビジョン 松田 朗 絵画展  (会場:graffiti)

▲ 2011年の秋にOPEN予定の藁工ミュージアムがある藁工東西アートゾーン内のギャラリー グラフィティにて、プレ展として、3月16日(水)から 12日間 「共同作業所ホップあき」で制作にはげんでいる松田朗さんの初個展が行われた。
 アクリルやパステル・クレヨン、墨など、さまざまな画材によっ
て表現された躍動感あふれる作品群の展示。

松田朗(まつだ・あきら) プロフィール
1969年(昭和44年)12月22日生まれ。 高知県安芸市生まれ。安芸市在住。

NPO法人 ホップあきの会 共同作業所ホップあき 
平成12年4月高知県安芸市に設立。19年から福祉サービス事業所となる。
コーヒー豆の選別やアートグッズなどの生産・販売活動、地域の方々との交流、
そして音楽や美術、舞踏などの表現活動を通じて、ひとりひとりが社会的な役割をもち、意欲的に生きる場となることをめざしています。


●  関連イベント レクチャー 服部 正 氏
『「アート」と「福祉」の間で』( 会場:鷹匠町 草や )

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 プレ展の関連イベントとして、兵庫県立美術館学芸員の服部 正 氏によるレクチャーが行われた。
 レクチャーでは、アウトサイダー・アート/アール・ブリュットの歴史や基本的な用語・定義についてや、ヨーロッパの制作現場を訪れた際の写真等による実例資料。
さらに、海外と日本での障害者アートへのアプローチの違い、又は、日本特有のアートの仕組みの中での意義など、様々な角度からの可能性が紹介された。

 後半、質問のコーナーなども設けられ藁工ミュージアムでの今後に向けての積極的な取り組みの場となったようだ。
ここではその中のいくつかをピックアップし、アウトサイダー・アート/アール・ブリュットの世界についてご紹介をいたします。



Q/服部さん自身がアール・ブリュットを専門にしたきっかけは?。

A/ローザンヌで、アール・ブリュットに出会い、鳥肌が立ちました。その時の「これは何か」という疑問がその後に追求して行くきっかけになったように思います。

Q/アウトサイダーアートやアール・ブリュットの作家は、アーティストと呼んでよいのでしょうか?

A/海外では一般的にクリエイター(作り手、創作者)と呼ばれることが多いと思います。クラフトやプロダクトの分野は、アートとは別のものと理解されています。障害者の施設で呼ばれる[利用者]ではなく、[患者]でもない。そういう視点です。

Q/歴史的に現代アートの作家がアール・ブリュットに興味を持ってアートとして注目された経緯が有りますが、藁工アートゾーン周辺で現在活動している作家等が関わるとしたらどんな形が有るのでしょうか。

A/欧米では、アール・ブリュットの制作現場に関わっているスタッフはほとんどがアーティストです。アーティストが自分自身の制作活動で広げた人脈などを活かして、美術の世界にうまくアール・ブリュットの作品を持ち込んでいます。アール・ブリュットの作品が流通する仕組みが整っていない日本では難しい面もありますが、アーティストが関わることで作り手の才能を引き出したり、チャンネルを開くという可能性は大きいと思います。アーティストとのコラボレーションで刺激を受け合うということでは、岡山で行われている「アートリンクプロジェクト」などが参考になると思います。

Q/美術大学などとの取り組みや可能性は?

A/研究の方面についていえば、日本では卒業後の進路が確立されていないので、アール・ブリュットが美術史や美学の研究分野として十分に成り立っている現状ではないです。
一方で制作系の学生が興味を持ち、卒業後に福祉施設のアート担当スタッフとして就職する例は多くあります。

Q/障害者アートを紹介する時に日本で気をつける事は?

A/どう見せたいかが大事です。プレゼンする人ごとになるので、どう見せたいかを意識する事が必要です。障害者施設のスタッフの人の目を育てるのが美術館の仕事だと考えます。「そういうものを作る人ならばうちの患者にもいるわ」とスタッフの人に気づいてもらう、そういうことから始まってくると思います。

Q/藁工ミュージアムに期待する事は?

A/フレキシビリティ(柔軟性・融通性)の部分です。イデオロギーに傾き過ぎたり、社会活動の一つにしたりすると危険な事もあり、むしろ施設の規模が小さいからこそ出来る事があると思います。


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服部正(はっとり・ただし)  プロフィール

兵庫県立美術館学芸員
1967年兵庫県生まれ。1995年より現職。
アウトサイダー・アートや日本の障がい者アートを取り巻く状況などを専門分野として活動を行う。
著書に『アウトサイダー・アートー現代美術が忘れた「芸術」』(2003年光文社新書)

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主催: 藁工ミュージアム設置準備委員会お問い合わせ先


藁工ミュージアム 開設準備室(グラフィティ内)
〒780-0056
 高知市北本町4丁目1-23 藁工倉庫  火曜日定休 
11:00〜19:00
TEL+FAX 088-878-0051 


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