interview -web版 6.7月号-   『vu ja de』岡本明才exhibition

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interview  -web版 6.7月号-
フリーペーパー版のArt in  Kochi誌面とは別のインタビューを特別掲載!!!
初の試みです。ご意見ご感想お待ちしています。ご意見掲示板はこちら
                                                                                                                                   
記念すべき初のWEB版インタビューは岡本明才さん。 
6/24よりgraffitiにて個展『vu ja de』を開催されます。
これまでも高知を拠点に活動し、特殊な手法で撮影された写真作品を発表。
実験を重ねてたどり着いた、現在の撮影方法とコンセプトについてお話を伺いました。


  ■展覧会概要 - information -
006_okamoto.jpg『vu ja de』岡本明才exhibition
●6/24(水)-7/6(月)定休日:6/30(火)

デジャヴとは、今まで体験したことがないのにも関わらず、
その場を知っていたり、話を聞いたことがあるかのような、
以前体験したことがあるように思える感じである。
ヴジャデとはその真逆である。
今まで何度も体験してきていることを、全く新しい視点で見て、
新たな体験かのように感じることである。
見慣れたものを新しく見る力、「ヴジャデ」


                                                                                                                                   

1.技術手法 
 Technique 

    今回の個展のDM写真ですが、視覚的に「一体どうやって撮ったんだろう?」という
疑問がまず出てきますね。
最初に今回の個展の作品で使われた手法・技術的なことについて教えて頂けますか?


よく完成写真を見て「CG?」と聞かれるけれど、パソコンで画像加工しているからCGともいえますが
撮影方法はピンホールカメラなんです。


ピンホールカメラは、中世には確実に使われてて、仕組み自体は紀元前からあるもので、
ハッキリはしていないけど 、画家のフェルメールなどはピンホールの視界を使って
描いてるとも言われてます。
確かにフェルメールの絵を見ると 「ピンホール(の視界)だな」 と思うくらいです。
カメラをやってる人が見たら同じように感じると思います。

ピンホールカメラの原理は、空洞の箱に一つの小さな穴をあけてそこから光が入ると、
箱の中に上下が逆さになった像が映し出されるという自然の現象を利用してます。

自分がやっている事は、そのピンホールという古くからある手法と
デジタルカメラを融合させたようなもの。

普通は、箱の中の "穴を開けた面とは反対の面" に印画紙を貼って、
そこに集まった光を印画紙に焼き付けるのが一番原始的なカメラの仕組みだけど、
実際は、像はその面だけでなくて " 箱の中の面 全部 " に映っていて、
その全部を記録したいと思い、それにはどうするかを考えたら、
「自分が箱の中に入って、デジカメに光を焼き付けたら良いんだ」 にたどり着いたんです。


okamoto-interview.jpg

写真をやっている人の多くは、「フィルムでないと写真ではない」とか「デジタルがいい」と
こだわる為に表現がせばまっているように思います。
写真の歴史はまだ183年です。まだまだ新しい表現ができる余地があるように思います。
自分の場合は、仕組み自体に立ち返って、決まりやしばりを取り払った結果、
「ダンボールデジカメラ」という30センチの箱カメラをつくるに至りました。
元々実験が好きなんでしょうね。実験ばっかりです。

1123.jpg

巨大カメラ  (カメラの中に入って、写真を作る)
0088.jpg
ダンボールデジカメラで撮影したうんてい

07654.jpg
気づかないけど、ピンホールになっている風景
四角い穴から入り込んだ光でヤマダ電機と空が写ってます)


    フィルム・デジタル・ピンホールと色々な写真の種類が出て来ましたが、
岡本さん自身は元々どういった所からカメラや写真での表現に行き着いたのですか?

元々はストリートスナップからです。
でも今はこんな実験をやるようになってて、撮らなくなりました。
言ってしまえば、携帯電話にカメラも普通に搭載されている最近では、誰でも写せて
誰もがカメラマン。
おしゃれに撮ったり、構図がかっこよくても、誰でも撮れるありきたりな写真になってしまいます。

今回の個展の手法に行き着くきっかけは、写真家の都築憲司さんに出会って、
2005年の10月に行われた nBox(南国市立田)での企画展 「時の旅人」に参加した事に
さかのぼります。
「時間を写真で捕らえよう」と思い「1つの風景の中に複数の時間を入れるには
どうしたら良いか」と試行錯誤しましたが、色々実験してもなかなか上手く撮れない!。
で、デッカいカメラを作ってその中で自分がカメラを操作したら上手くできるんじゃないか!?
というわけで、ピンホールにしたらカメラ自体が大きくなりました。
「どうせ映らないだろう」と思いながらやってみた所、きれいに写ったんです。
ピンホールカメラの中に入ると光に対する概念が変わってしまうんですね。
それでピンホールカメラの作品を作るようになりました。

   デジタルな部分は、"印画紙やフィルムの代わりにデジカメで光を記録する"
という所のみですか?

仕上げの段階でレタッチソフトを使う部分もデジタルです。
なるべく箱の中全体を撮る為に180度の角度まで撮れる魚眼レンズを使っています。
魚眼レンズは、丸く歪曲して写るものなので、それをデジタルで元の形に近くなるように修正します。
それと、箱の中で光が乱反射する為、コントラスト(最も暗い部分と、最も明るい部分の輝度の差)が落ちるので、それもレタッチで補正します。

   以前、「段ボールデジカメラ」の後に、色々な人の家を訪れては「部屋カメラ」のシリーズを展開されていましたよね?。
その時には部屋全体に暗幕を貼って、外からの光を1ヶ所の穴から以外は全て遮断して、
大判カメラで長時間かけて、部屋の外と中が融合した像を記録するという
大掛かりな事をされていましたが、今回の個展の作品も長時間撮影のものなのでしょうか?

部屋カメラのときは約10時間かかりました。フィルムの場合は時間をかけたら写りにくくなる特性が
あります。デジカメの場合はそのような特性がないのですが、時間が長くなればそれに比例してノイズが入ります。
ここがフィルムとデジカメの大きな違いなのです。どちらを選択するかもかなり悩みました。
ダンボールデジカメラの撮影方法は
"12時からの昼日中、晴れた日" という条件であれば2分。くもりであれば5分ですね。
それより条件が悪いと撮れません。5分の撮影でも写真にノイズが入ります。
ノイズは、デジタルカメラが発する熱が原因で入るもので、これを完全に消すのはとても困難です。
天体写真の人たちが長時間撮影をよく行いますが、元々カメラのCCDを氷点下にしておくという方法をとるようなのですが、カメラを分解したりして作業するので、破損のリスクと背中合わせなので、
資金的にも大変になりますしね。




2.コンセプト[概念] 
 Concept 

   「ヴジャデ」 という個展タイトルは、" 見慣れたものを新しく見る力 "を表すデジャヴの反対の意味の造語だということですが、今回の個展の主旨・メッセージとしてはどういった意図があるのでしょうか。

一つには、会場に訪れたお客さんが、いつも見ているgraffitiという ギャラリー空間に
手を加えることで、見慣れない風景になる という事。
そして、箱(カメラ)の中の風景は実際のものなのだけど、周りの光が明るくて見えていないだけで、
再びちょっと考え方を変えれば見えて来るものがあるという事です

   ドローイングの作家の方が「人は見えてるもの全部を見ていない、だから見ているものそのものをピックアップする作業がドローイング」と言われていましたが、反対に見えてないほうをピックアップするという事でしょうか。

そうかもしれません。
写真だと全部が写るというけれど、見ていなかった所があるという事です。

   モチーフに風景が多いのはその辺りと関連があるのでしょうか。

太陽(光)を捕らえるという意味では、被写体はある意味何でも良いんです。
街の風景が写ってますが、見る人は写っている写真は勝手に思い込んだ街の風景なのです。
すべて目に見えるものは、光なのです。
当初展覧会タイトルにしようとしたのは、太陽を写す意味の"ヘリオグラフィー"でしたが、
ありきたりなので "ヴジャデ" にしました。


   会場を見慣れない風景にという事で、展示プランについては何かあるのでしょうか。

高知の作家の人は、そのまま壁として使う人が多いですが、もっと全体的な事を考えています。
写真を「額にはめるか、パネルにはるか」というところまでの発想ではなく、
ギャラリー全体を変えて展示するという発想がないようです。
今回の展示は、具体的には天井を低くし白いもので覆い床も白くします。
ギャラリーをホワイトキューブにして統一感を出したいと思ってます。
壁を1枚丸々使わず、他の3面を見る為の引きや(後ろへさがって見る為の距離
ただ壁があるから作品を埋める為のスペースと考えずに全体を考えて展示したい考えてます。


今年高知で行われる写真の展覧会で、2番目に面白い展覧会にしたいです。
一番は多分、高知県立美術館に来る蜷川実花展だと思うので。



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